お弁当かコース料理か
斉所です。このブログを読んでおられる方で、自分で作った作品を、出版社や批評してもらえるところに「持ち込み」に行った経験のある方は居られましょうか?
私も、最近はweb上での公開がメインになっておりますが、以前は機会があれば色々と持ち込みなどしておりました。
その際、ある雑誌の編集者さんに言われた事で、心に残っている言葉があります。
『うちの雑誌は言わば「唐揚げ弁当」ような作品を求めてるんですよね…唐揚げ弁当を求めて入って来たのお客さんが、コース料理を出されても困っちゃうじゃないですか?』
自分の作品の方向性
この例えはあまり適切な感じでもない気がしますが、恐らくこちらに気を遣いつつ、やんわりお断りするニュアンスを含んだ例え方だったのでしょう。この例に即しつつ真意を考えてみると、
- 唐揚げ弁当
すぐに食べられる
食べる前から美味しさが分かりやすい
食べる人(=読者)への要求の少なさ
- コース料理
食べるのに時間が掛かる
おいしさがすぐに分かりにくい(色んな味を知ってないと味わえない)
食べる人(=読者)への要求の多さ
といった感じでしょうか。
このとき持ち込んだ拙作がいわゆる「高級品」だった、なんて意味ではなく、簡単にいえばパッと見で分かりにくかった、先方の求めてる種類のモノではなかったという事でしょう。完成度の点は措くとしても、この時の私は、自分の作品の傾向を客観的に把握出来ていませんでした。
冒頭の4コマのように、魚屋さんに野菜を卸しに行こうとしていたのかも知れません。
作品が置かれる棚をイメージする
現在ではWeb系の投稿即公開されるプラットフォームがいくつもあって、インディーとしてなら複数の場所で公開することも普通になっています。事前に自作の傾向を考えなくても、とりあえず公開することならすぐに可能です。
それでもやっぱり、より多くの人に読んでもらおうと思うなら、作品を公開するだけでなく、プロモーションの仕方も考えていかないといけません(私も今勉強中ですが)。
そのためには、先述した「お弁当」か「コース料理」か、で考えるのもアリでしょうし、魚屋か八百屋か、
もっと具体的に自分の作品(本)を
- 駅前の本屋さんに置いてもらいたい
- とらの○に置いてもらいたい
- ヴィレッジヴァンガ○ドに置いてもらいたい
みたいに仮想してみるのも大事かもしれません。
最後にちょっと宣伝
その一方で、webでは色んな傾向のものが一挙に陳列されているのが面白味でもあります。例えばコチラの餅マンガ企画の作品群など……
いまのところKindle餅マンガで検索すれば一覧で表示されます!
むしろ、種々雑多に並べられるからこそ、自分の作品がどういうものであるかを著者自身でハッキリと自覚しておく必要があるんでしょうねー。自分の作品を求めてくれる人がなるべく迷わず辿り着けるように。