知った時には居なかった
斉所です。先日、バイト先で営業中に流れているBGMで、とても気になる曲に廻り合いまして。
めちゃめちゃ美しい歌声で、とても心地良いリズムの、一聴して胸にグッと迫ってくる曲でした。ただ洋楽なため、耳で歌詞を聴き取ることもままならなかったのですが、どうにかこうにかひと月ぐらいかけて曲を特定しました(バイトはちゃんとしてますぞ)。
iTunesにもバッチリ販売されており、即GETしたのち、グーグル先生にその歌手の現在の活動やプロフィールを伺ってみたところ、
既に故人だったんですね。
その方はジェフ・ハンソン
このアルバムの、Nothing Would Matter At Allという曲です。
世界の底が抜ける感覚
それまで全然知らなかった、心揺さぶられるものに出会った後、それを作った人が既にこの世に居ないことを知る、というのは、残念さとかを感じる前に「この世の底が抜ける」ような感覚になります。確かにあると思ってた足元の地盤が揺れるというか、溶け出すというか。
「作品」はこの世にある(から自分は出会った)のに、「作者」はこの世にいない。
古典作品なら当然の事で、そういう場合は事前に「そのつもり」で鑑賞するのですが、その事実に思いがけず直面すると動揺します。
作者が故人であるか否かと、作品自体の価値は基本的に全然別のもののはずと思いますが、鑑賞する側でほぼ無意識の内に関連付けてしまう事があるというか、知った直後はなかなか率直には鑑賞できないです。
これは作者にとって望まれない態度だろうし、あるいは失礼な事かとも思うのですが。
長生きしてくれ
この話の結論としては、もう単に「長生きしてくれ」という事です。長生きして作品作り続けてくれ、いや作らんでもいいから長生きしてくれ、130ぐらいまで生きてくれ、という気持ちです。
最近は色々な有名な方の訃報に接する事が多いのもあって、ただただそう思います。
ちなみに、曲を特定するのにこのアプリを使いました。
喧騒の中でもかなり的確に聴き取ってくれて驚きました。便利な時代になったもんじゃて…。