粉骨堂ブログ

Web上でマンガを描いてる斉所 サイショ です。

邦題でスルーしたらモッタイナイ映画『26世紀青年』感想漫画

Amazonプライムビデオサービスで最初に観た映画

斉所です。

作品のタイトル付けって難しいですね。

作品の本質を表現しつつ覚えやすい、かつ既出のものと被ったらダメ…等々、いったん悩み出したら出口のない迷路に入っちゃいます。

そんな中、Amazonプライムビデオにて半ばヤケクソみたいなタイトルの作品を目にしました。

出オチ感の凄いタイトル…元ネタ丸分かりすぎるパロディ……。

楽しむのは題名だけでいいかなぁ…とツイートしてみたところ、内容は「第1級のB級映画」とのお勧めリプライを頂き、それならばと実際に観賞してみました。

f:id:hunkotu:20151119164858p:plain

パロディ邦題は訳者の心意気(かもしれない)

たいへん馬鹿々々しい世界観の本作ですが、その馬鹿馬鹿しさは現代の社会、個人の中にも存在するものであったりして、アハハと笑うよりもシニカルな苦笑いに満ちています。 

何も出来ない、考える事が出来ない人々でも生きていけるよう、様々な社会インフラを作ったであろう何世代か前の賢い人たちはどういう気持ちだったんだろうか…

また、主人公の男女は最終的に大統領になるのですが、「彼は人類の救世主とは言えない、だが大任を立派に果たしたといえる」といったナレーションで締められます。この辺り、作品の「後の世界」での主人公たちの、多分笑えない苦労がしのばれてせつない気持ちになります。

 

観賞中は正直、邦題のことはほぼ完全に忘れていました。でも海外作品の、こういったタイプの作品にどういう邦題を付けるかというのは、オリジナルを1から考えるよりも難しいのかもしれません。

とにかく始めて目にする人間に、何かしらフックを掛けようと思えば、これぐらい思い切ったパロディで攻めるのは有効な戦略かも知れません。

「どんな手を使ってもこの映画を広めちゃる!!」という邦訳者の心意気…!!と考えれば、むしろキッカケをくれて有難うございます、という気持ちになる良作でした。

 

このブログを書きながら、『勇者ヴォグ・ランバ』という作品を思い出しました。方向性も何もかも違うといえば違いますが、人が思考しなくなるディストピアという世界観がやや近い…遠くはない…かな?(しかし絶版くさい、Kindle化はよ)