語り継がれる往年の名作は早めに観ておきましょう
ジャンピング撮影
斉所(@hunkotu)です。先日 Huluにて『幸福の黄色いハンカチ』を観ました。
高倉健さんの1周忌というのを特に意識して観たわけではないんですが、やっぱり長年語り継がれてる作品だけあって、ストレートで分かりやすい筋書きながら、様々な魅せ場のある映画でした。
現代でも魅力を放つユーモアと演技力
何となく先入観として持ってたほどウェットな内容ではなく、(武田鉄矢と桃井かおりが)にぎやかな楽しい映画でもありました。
・序盤、海ではしゃいでジャンプしがら撮影(ぜったい撮れてない)
・田舎の道で車をバックさせたら土手に落ちる、なんとか道に戻すもそのまま反対側の原っぱを突っ切り、牧草の山に突っ込む
特別にギャグとして描かれてるわけではなくて、軽薄な男の浮かれた様やら「あーそんなにバックしたら…あー…この様子だとアクセル踏み過ぎるのでは…あーやっぱり…」といった描写がドラマの中で浮いた感じでなく起こっていて、こういうのは時代経ても笑えるなぁ、いいなぁと感じました。
あとやっぱり高倉健の、4年ほどの刑務所暮らしを経て、娑婆のビール、ラーメン、温泉、旅館の布団に めちゃくちゃ静かに、深く感動する様子がしみじみ伝わる演技がとても良かったです(wikiってみたら、撮影前に2日間絶食してたとのことです)。
まじめな説教を駄洒落で締める高倉健(やさしい)
スタイルの古さはあれど、そこは本質ではない
ほぼ40年前の作品という事もあって、今の感覚で見れば反感を覚える意味での古さはあります。
作中でも困った奴として描かれてはいるものの、ちょっと傍若無人で軽薄すぎるだろ武田鉄矢。
刑務所に入った旦那の方から別れを切り出しておいて、四年も経ってて手紙ひとつで妻が応えてくれるだろうか…とか。
でも、長年語り継がれてる名作の端々を、今の尺度で測るのは野暮なことです。人間の善性というか個々の関係性は時代で移り変わるスタイルとは分けて考えるべきですね。