粉骨堂ブログ

Web上でマンガを描いてる斉所 サイショ です。

ハワイより楽しい(かもしれない)マンガの世界をさすらう旅……!!粉骨堂ネーム放浪記2

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漫画は旅…

斉所です。クリスマスいかがお過ごしだったでしょうか…てゆーか最早年の瀬でそれどころではないですね。

今年のネームは今年のうちに という事で、前回の続き、私流ネームの作り方あれこれ語ってまいります!
前回はコチラ

漫画は旅…と例えましたらば、ネームはさしずめ「下見」と申せましょうか。
作者の一人旅なら、行き当たりばったりもまた楽しからずや、ですが、見知らぬ読者に道無き道を同道してもらうのは中々難しい場合もあるでしょう。出来るだけネームでルートを作っといた方がベターです。そうする事で作者もより漫画の旅を楽しめる気がします。
ただ、旅の仕方は十人十色です。 

初ネームはズンズン進む弾丸ツアー

前回の案出しを経て、いよいよネームです。A4サイズのコピー用紙を使います。ノートを使わず紙に書くのは、1本のネームの全体を一望できる(めくらなくて良い)、書き直しやすい、(書き直したものの)並べ替えが自由に出来る、ていうメリットがあるためです。
ネームは何回やり直せるかが肝心だろーと思ってますので、なるべくチャッチャと書いたり書き直したり出来るようにしてます。
初めてのネームをする時、A4紙を四つ折りにして、1マス1ページとして書き進めていきます。
以前は半分折りで1枚2ページとしてましたが、浦沢直樹さんがどこかで「どんな長編でも4ページ単位で起承転結(オチ?)をつけている」と仰ってたので(うろ覚え)、それに倣って4ページ単位で一望できる形にしてます。f:id:hunkotu:20151231174900j:image
 4ページ単位なのですが、冒頭は左ページで始まるので、実質3ページにしてます。
(あと、弾丸ツアーと称する割に日付を見ると随分時間が掛かってますね…他の案件と平行してやってたと思います)
 
書く内容は「セリフ」「誰が」「どこで」「ナニをする」というのが分かる程度だけ書きます。若干ぼんやりしたシーンがあっても、進行に重大な支障を来たさない限りは、とにかく展開を進めて行きます。
とりあえずの結末までたどり着いたら、それを元に2度目のネームに旅立ちます。
 

2度目のネームは具体的&随時点検のユックリ旅

2回目は、まず最初のネームを元に、もうちょい具体的に進めます。全体のカメラアングルなんかも考えつつ、初回で問題のない所は流して、曖昧な所は詰めていきます。
2回目も基本的には四つ折りの紙に書くのですが、一定以上絵を書き込まないとイメージ出来ない所や、細かく決めないと進行が止まりそうなページが出てきた時は、半分折で2ページとして、ちょい大きめに書きます。全体を通してのネームは大体2回やり、ま随時部分的な修正を繰り返していきます。
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2回目ネーム。冒頭2ページ分新しいシーン書き足してます。ちょっぴり具体的(白紙のコマもありますが)。
 

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1枚を2分割でちょい大きめに書いています。これは書き込むためというより、部分修正するために2ページ分だけでいいかな、と思ったんだと思います(うろ覚え)。

そして下書きへ…

下書きからはパソコンで作業します。ネームもパソコンでやればいいのでは?と思われそうですが、なんかモニターの前で抽象的な思考って出来ないんですよね…ブログ記事なんかも、前回の「案出し」に近い事をまずノートに手書きしてからポチポチと打っております。
また、毎回こんなキッチリできてるわけでもありません。いつもネームをキチンと繰り返し出来てるとも限らないし、下書きに移ってからネームを部分的に練り直したりする事もあります。
でも現在理想とする工程はこんなかなーという感じです。
 
ちなみに今回例示したのは、現在製作中の「餅漫画」のものでございました。

 発売日も押し迫っておりますが、具体的な予告は年明け早々に…!

 
最後に、個人的オススメの漫画、創作教本をご紹介します(「反」教本も含む)。
 
マンガの創り方

とても実践的な技術論。推敲の仕方とか、作品の具体例を挙げつつ読みやすい。…なのですが廃版で値上がりしてるっぽいですね。定価が3800円(税抜)でした。多少の高騰でも読む価値アリアリ!です。

 
書きあぐねている人のための小説入門

小説だけでなく創作全般の書。いわゆる「反」教本かな。技術論でなく、モノを作る姿勢についての本。読むと何かしら作りたくなる事請け合い。

 
一億三千万人のための小説教室

これも教本ではないです。「この世に書かれるものは全て面白い」というスタンス。読めば自分の何かを作りたくなるし、人の何かを読みたくなります。キンドルも出てる!

 

それではよいお年を!!